【書籍レビュー】思うところあって、嘘をつく人について知りたくなり、嘘について書かれている本を読んでみました。どの嘘本を買おうか迷っている方がいましたら参考にしていただけるとうれしいです。
まず、最初に紹介する3冊はけっこう似た内容が登場します。嘘の分類から始まり、自分を少しさらけ出すと犯人が口を割ってくれるとか、最初から強硬な姿勢に出ないほうがよいなどですね。ちなみに女性のほうが男性より断然ウソがうまく、「嘘をついていると目をそらす」は大嘘だそうですよ~。
『嘘の見抜き方』 (若狭勝)
若狭さんが注目を浴びた頃、何かの記事でこの本を知り、読んでみたいなと思っていました。具体例が丁寧に紹介されてあります。各章の最後に要点がまとめがあるので、おさらいしやすいです。
『元検事が明かす「口の割らせ方」』(大澤孝征)
検事時代の経験に基づいて事例を丁寧に説明してくれます。若狭さんのも同様でしたが、犯人へのアプローチの方法は、ミステリ小説やサスペンスドラマの法廷シーンが好きな方なら、デジャブのようなものも多くスッとはいってきます。そういう意味では、全く知らない情報というわけではないのですが、追い詰める方法の論理的なひもときとして興味深く読めました。悪い仲間の報復が怖いのではなく、すぐに吐いたら男の沽券にかかわるからなかなか自白しないというのはおもしろかったです。
元検事が明かす「口の割らせ方」 (小学館新書) [ 大澤 孝征 ]
『嘘を見破る質問力』(荘司雅彦)
弁護士さんが書かれた本。内容は上2冊とさほど変わらないのですが、一番ノリが軽い印象です。上2冊が難解というわけではないのですけどね。個人的に、重要ですよ!ってところを太字で強調されていると、フラットな視点で読めないからあまり好きではないです。(強調されているとうれしい類の情報もありますが)
嘘を見破る質問力 反対尋問の手法に学ぶ (ちくま文庫) [ 荘司雅彦 ]
『嘘の心理学』(村井潤一郎)
研究者9名の共著。一人の経験に基づいて語っている上記3冊と性質が違います。各種学術論文に基づいて展開されており、図表も豊富。最後に索引もあります。お勉強的に読みたいならこれ。情報に根拠がほしい人もこちらですね。
嘘の心理学 (クロスロード・パーソナリティ・シリーズ) [ 村井潤一郎 ]
どれを買うべき?
あくまでも私の独断ですが、最初の3冊からはどれか1冊でいいと思います。わりと情報がかぶっているので、2冊読んだからといって得る情報が2倍になるというわけではないためです。さらに勝手に決めつけてしまうと、検事出身の方のほうが嘘つき対応レベルが上な気がするので、若狭さんか大澤さんのどちらかお好みの著者を選んではいかがでしょう。別の視点から嘘を極めたいという場合は、4冊目にご紹介している『嘘の心理学』の合わせ買いをおすすめします。