黒クマ(影クマ)を引き起こす目の下のたるみ。その原因は、目袋(眼窩脂肪)。眼輪筋の衰えや皮膚のゆるみによって、眼球の下にあった脂肪が前に突き出してくることで起こります。
この目の下のたるみをどうにかしたいと思ったら、いくつかの方法があります。軽微な場合は照射系マシンでどうにか解消できるのかもしれませんが、それでも無理だった場合や、ヒアルロン酸注入では根本的解決にならないと考える人は、最終的な方法として手術に頼らざるを得ません。
私は「切らない目の下のたるみとり(経結膜脱脂)+ヒアルロン酸注入」を選びました。なぜこのチョイスにしたのかを、各手術方法の特徴とともにまとめたいと思います。
主な脱脂法をおさらい
脂肪を移動するハムラ法や、脂肪を取り出してしまう脱脂法があります。皮膚のオモテ面から切開する場合と、裏(結膜側)からレーザーで切る場合があります。結膜側とは、目の下をひっぱってアッカンベ~としたときに見える赤い粘膜の部分です。
よく美容クリニックのネット広告で「切らない目の下のたるみとり」「切らずにレーザーでたるみが治る!」などと書かれているのを見かけますが、実際には裏からレーザーメスで切りますし、結膜部分には傷跡もできます。術後は痛み止めやら抗生物質やらのお薬を処方される、れっきとした手術です。ヒアルロン酸注入などのちょっとしたプチ整形とは全く違うレベルです。
ハムラ法・裏ハムラ法
ハムラ法(眼窩脂肪移動術)とは、目の下の脂肪をその下のくぼんでいる部分へ移動することで、目の下から頬にかけてをフラットにする手術方法です。オモテから切開するのがハムラ、ウラから行うのでキズが見えないのが裏ハムラです。この場合のウラとは、結膜側(アカンベーしたときの赤い部分)なので、裏ハムラは経結膜式眼窩脂肪移動術などとも呼ばれます。(漢字の名前はクリニックによって微妙に違う気がします)
私の場合、最初から手術を想定してクリニックを選んでいたわけではないせいか、複数のクリニックで問診する中で、医師からハムラをすすめられたことはありませんでした。目元のオペに強いとうたっているようなところはハムラ推しも多そうですよね。
検索するうちに「ハムラ」という言葉は見かけて知っていたので、手術を検討したときに一応調べてみたのですが、頭が単純な私は「ややこしそう!」とすぐに却下しました。本能的に受け付けなかったので、これはもうどうしようもありません。目袋の脂肪を取るその加減だけでも心配でたまらないのに、その脂肪を移動?どこへ?どれくらい?想像と違ったらどうするの?ややこしいのはイヤ!と思ってしまったのです。
オペの工程や段階が多いと、失敗(医学的失敗ではなく患者のセンスと合致しないという意味での失敗)もその分だけ多そうだし、修正も難しそう。「なんか、だめ・・・」と本能的に感じてしまいました。ハムラ法を受けた方や、それを推奨している先生方を悪く言いたいわけではありません。私の単純な思考ゆえの選択であることをご理解ください。
(切る)目の下のたるみとり
ハムラ法のように脂肪の移動を行わず、単純に脂肪を切除する方法です。下眼瞼“切開”法などと呼ばれていることからもわかるように、皮膚を切ります。切開しない場合は、「切らない」や「経結膜」といった名前がついています。どこを切るかというと、下まぶたのキワに沿ったあたりです。皮膚を切っていますので、約一週間後に抜糸も必要です。
私がこの方法を選ばなかったのは、「抜糸」があることや、傷が目立たなくなるまで時間がかかることも大きな理由です。でも、ダントツにこの方法がよいと確信が持てたら、長期休暇をとってこの方法を選んだかもしれません。ダウンタイムの長さももちろんですが、切って縫うので、目の幅が縮んで小さくなることがある、下まぶたが引っ張られてアカンベー顔になることがあるという口コミなどを読み、選択肢に入りませんでした。いずれのデメリットも医師の腕によると思いますが、「なっちゃった場合どうするの!?」と思うと、踏み切れませんでした。
この術法の大きなメリットは、目の下の皮膚にたるみやしわがある場合です。単に目袋を除いただけでは、たるみやしわが残ってしまうという場合には、切除して引き上げたほうが美しく仕上がるということのようです。
目の下の切らないたるみとり
単純に眼窩脂肪を切除するだけなのは上記の手術と同じです。切る場所が結膜側(あかんべーしたときに出てくる赤い部分)なので、経結膜脱脂(下眼瞼脱脂)などと呼ばれています。このメリットは皮膚表面に傷が残らないことです。ただし、目の下の皮膚そのものがすでにたるんでいたりしわがあったりすると、目袋を除去するけのこの手術では、よい結果にならないこともあるようです。また、単に目袋を取るだけなので、目の下がくぼんでしまうという指摘もあります。
私が選んだのはこの手術方法です。複数の先生に「まだ(下まぶたの部分の外側を)切らなくてもよいと思う」と言われていたことや、傷がオモテに残らずダウンタイムが比較的短いというところに惹かれました。そして何より「脂肪を取るだけ」という単純明快な点にも惹かれました。それゆえに目の下がくぼむという失敗例もあるそうなのですが、このオペを選んだ私の場合は術後もまだそのデメリットを感じてはいません。
とある先生のブログで、脱脂手術だけの場合は涙袋があるといい感じになる(意訳)と書かれていたのを見たことがあり、涙袋の存在をとあるクリニックで指摘されていた私にとって、ちょっとだけ楽観視できる材料だったのはたしかです。
主な注入治療をおさらい
めでたく脂肪を取り除いた後、目袋が大きめだったり、若くない人の場合、取った部分とその下の骨の部分とのつなぎめのへこみが目立ちつことがあります。そこを埋めるためにすすめられるのが、注入治療です。で、「何を入れるか」で多くの女性はひとしきり悩みます。それぞれにメリットとデメリットがありますので、各クリニックの説明や口コミを読むことをおすすめします。
私の場合、目の下の脱脂手術を決意した私がクリニックに事前確認したことでも書いたように、2人の医師から「注入はすべき」と言われており、それ以外の医師からも「手術+ヒアルロン酸注入がいいと思う」と言われたことがありました。ここでは、主な注入治療の違いやメリット・デメリット、私がヒアルロン酸を選んだ理由を書きますね。
PRP
自分の血液から取り出した血小板を注入する方法で、PRP血小板療法(再生療法)などとも呼ばれています。ネットの情報によると、FGF(成長因子)を添加したPRPを注入すると失敗しやすいようです。PRP血小板療法(再生療法)で詳しく書いていますが、効果が一定ではなさそうな点(たぶん、血小板くんがどれくらいもりもり働いてくれるかはわからないのではと思うんです)が不安で、選択からはずしました。
あと、美容のことをぶっちゃけて話してくれる年下の知り合いから以前、「目のクマが気になっていたときに、安いクーポンが出ていたので、自分の血液から採ったものを注入するというのをやったことがあるけど、まーーったく効果がなかった」と聞いたことがあるんです。たしかに彼女の目の下には、(私ほどひどくはないけど)クマがありました。そういうこともあり、PRPは見送りました。
ただし上記は私の考えにすぎません。各クリニックが独自の方法を追究しているっぽいこともよく書かれているので、上手なクリニックや実績のあるクリニックなら安心かもしれませんし、PRPに満足している方もたくさんいると思います。今後もっと症例が増えて狙ったように効果か出る治療法になってきたら、若返りという意味ではヒアルロン酸よりもPRPに軍配があがるという情報も読んだので、数年後に目の下のメンテナンスでの注入をする際に、候補に入れるかもしれません。
脂肪注入
自分の脂肪を注入する方法です。この脂肪の「出身」はさまざまで、まず、除去した目袋の脂肪を活用する方法や、太ももやお腹などから脂肪を採取する方法があります。その脂肪を加工する方法も複数で、マイクロコンデンスリッチファットやらピュアグラフトやらいろいろあるようです。
自分の脂肪を使うのでアレルギー反応が出なくて安心、仕上がりが自然といったメリットがあります。効果には個人差があり一定ではなく、しこり(凸凹)ができることもあるようです。そもそも一口に「脂肪」といっても、採り方も加工法もいろいろあって、各クリニックがしのぎを削っている状態ですよね。どれがいいかもわからないし、本当のとところはわかっていないんじゃないの?となんとなく思ってしまいました。どれを注入するかですらこんなに悩むのに、脂肪と決めた後もその種類でまたさらに悩むなんてややこしすぎていやでした。とにかく単純にいきたかったんです。
しこりや凸凹ができるのもこわかったし、脂肪をとった太ももの痛みがけっこうすごい上に長引くという口コミにもビビり、あまり検討せずに見送った方法です。
ヒアルロン酸注入
私が注入することにしたのはヒアルロン酸です。PRPや脂肪は、どれくらい頑張って働いてくれるかちゃんとわからない治療なのではという印象があり、微細な凹凸や段差が印象を大きく変える目元にするのは不安だとなんとなく思ってしまったからです。もちろん、経験豊富でお上手な先生だとそういうことはないでしょうが、実際に定着率の話を読んだり、個人差があり一定ではないという話も聞いたので、選択からはずしました。
というわけで、本来なら何も注入したくはありませんでしたが、何かを注入するならということでの消極的選択がヒアルロン酸です。失敗例の口コミもたくさん読みました。でも、上の2つとはちがって効果のほどを予想しながら注入しやすいこと、ちょっと気に入らなくても年月が経てば吸収されてなくなっていくこと、修正もできるということ、そして最悪、気に入らなかった場合はヒアルロニダーゼで溶かせることに安心感を覚えました。治療の歴史も長く、名医と呼ばれる人もいる世界なので、駆け込み寺がありそうだというのは私にとって大切でした。
メンテナンスが必要なのはいやだとは思いましたが、どの注入も手術をする以上は仕方のないこととして受け止め、PRP血小板療法(再生療法)で先生に言われたように、メンテナンスは必要でも、調整や修正ができることはメリットなのだと前向きにとらえることにしたのです。
次回の記事では、いよいよ切らない目の下のたるみとり(経結膜脱脂手術)の体験記をまとめたいと思います。